時計の美しさが見える機械式
GreenTimet担当の川野です。
前回は【クォーツ式】についてお話しさせていただきましたが、今回は【機械式】について紹介します。
機械式とは
機械式は中にあるゼンマイという部品を巻き、それがほどける力を利用して時計を動かす腕時計です。
クォーツの歴史
クォーツ式でも紹介しましたが腕時計にはクォーツショックという歴史があり、機械式の時計はかなり数を減らしてしまいました。しかし、クォーツ式が大量生産されるようになり安価で入手可能になってくると、機械式の芸術性の高さや機械式の時計にしかない魅力に注目が集まるようになり、次第に復権してきました。(今では有名なロレックスもクォーツショックの影響で1950〜70年代は売れない一時計メーカーでしかありませんでした。)
ここから歴史のある機械式の特徴を紹介します。
電池が不要。
時計を動かす動力はゼンマイになるので電池を使う必要がありません。つまり電池交換なども不要になるので、ある意味エコロジーともいえるでしょう。電池切れで時計が動かなくなる心配もいりません。(巻き忘れで動かなくはなります)
機械式にも種類がある。
機械式には、「手巻き式」と「自動巻き式」の二種類があります。
手巻き式
手巻き式は手でリューズを回してゼンマイを巻くタイプです。ゼンマイを最大まで巻くとそれ以上巻けなくなる「巻き止まり」があります。巻き止まり以上に無理に巻きすぎるとゼンマイが切れてしまう場合があるので注意が必要です。
自動巻き式
GreenTime腕時計で使われている機械式は自動巻き式を採用しています。
自動巻き式はゼンマイを巻き上げるためのローターという部品がムーブメントに取り付けてあり、装着している腕を動かすことでローターが回転してゼンマイを巻き上げる仕組み。
自動巻き式の英訳であるAUTOMATICはGreenTimeのシリーズ名としてそのまま用いられています。
自動巻き式といっても基本構造は手巻き式と同じなので、自分でリューズを回して巻き上げることも可能です。手巻き式と違って最大までゼンマイが巻き終わったときに空転する仕組みになっているので、巻き止まりがありません。
動く時間
ゼンマイを最大まで巻いたとして、どれだけ動いてくれるでしょうか。ゼンマイの巻きがなくなるまで時計が動く時間のことを「パワーリザーブ」といいます。(クォーツ式だと電池が切れるまでがパワーリザーブといった感じです。)商品にもよりますが大体40時間から80時間ぐらいです。
機械式のデメリット
機械式の特徴を紹介しましたが、クォーツ式と比べて機械式ならではのデメリットも存在します。
時間のズレが大きい
クォーツ式の精度は大体の日差(1日あたりの時間のズレ)が±0.5秒ぐらいですが、機械式は日差で±20.0秒ぐらいズレてしまう場合があります。
さらに以下の原因でも精度が悪くなります。
ゼンマイの巻きが足りない
ゼンマイが巻き上げ不足で力が落ちてくるとさらに精度が悪くなります。
腕時計の向きの影響を受けやすい
腕時計は腕に着ける利用上、常に同じ方向を向いているわけではないので方向によっても精度が変わってきます。これを「姿勢差」と言います。
クォーツ式と違って頻繁に時計をチェックしておかなければならないでしょう。
デリケート
機械式の腕時計はクォーツ式と比べればかなりデリケードな存在です。落としたりするなど強い衝撃が加われば最悪動かなくなってしまいます。湿気などで中の部品が錆びたりすれば修理も必要になってきます。とても繊細なので、身に着けない間の置き場にも気を遣う必要があります。
メンテナンス費が高くなりがち
機械式は電池がない分、電池切れ気にする必要はありませんが使っていくうちに中の部品は日々消耗していきます。どういったものが消耗するのか一例を挙げるとすれば
その1.油切れ
歯車や、その軸には摩擦を軽減したり、動きをよくするために潤滑油が差してあります。その油が切れたり、劣化してしまうと動きが悪くなったり、時間の精度が悪くなったり、1日待たずとも動きが止まったりします。
その2.部品削れ
どんなに気を使っても長く使っていれば金属といえども、どんどん削れて行きます。(上で摩耗を軽減する油があるとはいいましたがそれでも削れます)部品の調子が悪くなると時計が止まるのはもちろん、突然秒針が逆回転したりします。
こういった場合には「オーバーホール」という部品を分解して油を差したり、摩耗した部品を交換したりするいわゆるメンテナンスを行わなければなりません。
クォーツ時計と違って、時計を分解することは素人ではほぼ不可能といっても過言ではないので時計屋さんに頼むことになるでしょう。
まとめ:機械式はアクセサリー的な意味合いが強い
時間はスマートフォンなどで簡単にできるような時代になっている中で腕時計を持つことは一種のステータスであり、その中でも機械式の腕時計を使うことは趣味と言ってもいいでしょう。機械式の腕時計は、管理の難しさや精度の悪さもあり、クォーツ式と比べてよりアクセサリーに近い存在と言えます。
しかし、まるで生きているかのように連動して動く精巧な部品の数々に魅力を感じるのであれば、機械式の腕時計の購入を考えてみてはいかがでしょうか。
機械式腕時計はそれぞれこちら
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